雹害車の修理方法
雹の被害を受けた車を、鈑金塗装かペイントレスデントリペアで修理するのか悩むかもしれません。被害状況によっては修復方法が向いてない場合もあります。それぞれ修復に関して利点、欠点があり把握してる部分を参考までに少し書いておきます。
☆鈑金塗装の作業行程(簡略化)
全体的に凹んだ箇所の塗装を剥がし、溶接で引っぱりあげパテで修正し、その後に下地を塗り、本塗装します。(浅いとそのまま足付けしてパテの場合もあります。)
利点(クリック・タップで開く)
- 車両保険が適用されます。
- 再塗装をするため新車時のように綺麗になります。
- 凹みで塗装に傷があった場合でも綺麗に直ります。
- 基本的には内装をバラさずに作業出来ます。
欠点(クリック・タップで開く)
- 時間が経つと塗装の乾燥やパテやせなどから、歪みが現れたりする場合があります。
- ピッタリ色が合わなかったりします。
- もし修復後に見落としの凹みがあった場合、再びパテ盛りして再塗装するので修復時間がさらにかかったりします。
- 冬場の結露で鉄板とパテ部分にわずかな温度差が出来、パテの部分が水玉模様に浮き上がったりします。
- 基本的に塗装もするので修復時間がかかります。
- 被害が大きいとルーフは張り替えでの修復になります。スポット溶接を外したりして交換する為、修復歴がついたりします。
☆ペイントレスデントリペアの作業行程(簡略化)
デントリペアでのピラー部分の修復【Flat Surface】
デントプーラー(引っぱり)でのルーフの修復【IMPROVE】
基本的には裏から専用の道具で押し出すので、内装を外し、光を当てて一つずつ修 復していきます。その後内装を組み付けて終了。(場所により内装脱着しなくてもよい場合もあります。)道具が入らない部分は樹脂をくっつけて引っ張り出します。
利点(クリック・タップで開く)
- 車両保険が適用されます。
- 短時間(被害が少ない車だと数時間)で修復出来、すぐに納車出来ます。
- オリジナルの塗装のままで修復出来ます。
- 出張修理で少しのスペースでも作業可能です。
- もし修復後に見落としがあった場合でもすぐに修復の対応が出来ます。
- 修復歴がつきません。
欠点(クリック・タップで開く)
- 塗装が割れてる凹みは割れた部分は修復出来ません。
- ダメージにより修復困難な凹みが存在し歪みを完全に消せないものもあります。
- 天井などの内装を脱着において、内装の再使用不可の車があり部品注文で時間がかかる場合があります。
- 作業の関係で、場合によりリアゲートやフロントガラスの脱着が必要な場合があります。
- 修理個所の裏の部分傷を付かないように養生しますが、場所によってはテコを使う影響で多少穴が曲がったりします。(修正はしますが修正跡が残る場合もあります。)
- 道具の入らない部分は表から引っ張るのですが、塗装が剥がれる事があります。
このように修復方法にも、向き不向きがありますので打ち合わせの段階等でお気軽に相談してください。現場で作業員が他の車を修復してる時でも、声をかけていただければすぐに確認してデントリペアでの修復が可能かどうか、判断させてもらいます。
もちろん雹害車以外の経験も豊富ですので、普通の凹みでも作業員に気軽に相談して下さい。